- Workshop 5
- 2021年3月25日(木)開催成果発表会
昨年11月から取り組んできたこのプロジェクトも今回が最終回。
「古いだけと思わんといて」というテーマに沿って、
15名の大学生が京都の魅力を再発見する活動を行ってきました。
取材や撮影、記事の作成に取り組んできた成果がいよいよ発表されます。
5ヶ月にわたる活動の総仕上げ。自分が書いた紹介文や写真がどんな形になったのか、
学生たちは期待を込めて会場に集まりました。
あいさつ
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- 5ヶ月間の振り返り
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まずは、プロジェクトを主催する東急不動産ホールディングス・池田智紀広報室長があいさつに立ちます。5ヶ月間を振り返り「学生の皆さんが取材先を決めていく速さに驚きました。その能力は社会に出てから貴重な原動力になるはずです。
皆さんから良い刺激をもらいました」と感謝の言葉を述べます。
続いて、ワークショップの進行を担当した凸版印刷の栗原正博氏が、2つの成果物を披露。ブックカバーは、ポップでモダンな要素を入れ明るいトーンでまとめたとデザインの意図を説明します。表紙には学生が考えたキャッチコピーを載せ、QRコードを読み込むと、WEBサイトの詳しい情報を見ることができるという工夫を紹介しました。一方のコースターは吸水性のある素材を使い、シールをめくると詳しい説明が出てくるようになっています。学生たちは、自身の取材がプロの技術により洗練された作品になったことに驚きながらも、とても喜んだ様子でした。
活動報告1
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- 学生の感想発表
- 続いて、学生がこのプロジェクトに参加した感想を発表していきます。取材を体験して、「自分しか知らない場所の魅力を伝えることができた」「新しい価値観に出会えた」「取材を通して京都が好きという気持ちが愛着に変わった」と多様な感想が次々と出ました。オンライン開催となった京都マラソンを取材した学生は「日本初でとても革新的な試みだと感じた。古いだけではない、京都の新しい側面を伝えたかった」とコメント。「私がいつか京都を離れる時に持って帰りたい場所を選んだ」と発表したのは東京出身の学生です。誰もが自分の選んだ取材先を紹介することができ、5ヶ月にわたるプロジェクトの達成感を感じたようでした。
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- このプロジェクトで取材を初めて体験した学生が多かったため、「魅力を伝える難しさを実感した」「質問を用意していたが、取材相手がなかなか答えてもらえず苦労した」という意見もありました。成果物に関しては「自分が書いた拙い文章が、デザインの効果で素敵に感じる」「工夫があるので興味を惹きそう」「プロの力を実感した」とのデザイン力を賞賛するコメントが相次ぎました。どのチームもメンバーが助け合うことで良いアウトプットができたと成果を報告。このプロジェクトで身についたチャレンジ精神を、就職活動に生かしていきたいという声が数多く聞かれました。
活動報告2
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- 各社上席からのコメント
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そして、5ヶ月にわたるプロジュクトに関わった各企業が学生の成果を讃えました。主催の東急不動産ホールディングス・田中雄太郎統括部長は「無事に終えることができ、学生の皆さんに感謝しています。成果物は素晴らしく、私自身が訪れたい場所ばかりです。このワークショップでの出会いを大切に、これからの活躍を期待しています」とコメント。
学生支援を担当した株式会社学生情報センター・西田博昭氏はプロジェクトを企画した経緯を振り返ります。「コロナ禍で大変な思いをしている学生を応援したいと立ち上げました。最初から関わってきましたが、質の高い作品が出来上がり、うれしく感じています。この活動は人生の資産となったのではないでしょうか」と述べ、ブックカバーとコースターを同社が運営する学生マンションや京都市内の大学に配付することを発表しました。
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続いて、5回にわたるワークショップの進行を担当した凸版印刷株式会社・山下薫氏が登壇。「今はモノよりもエクスペリエンス(体験)が重要視される時代です。そのため、どんなストーリーを描いてどう発信するかが大切になります。学生の皆さんは今回、自分の言葉で表現しましたが、そういったリアリティのある手法が、これからの世の中には価値があると考えています。一緒に活動してきた私たちにとっても、このワークショップは考えるきっかけになりました」と振り返りました。
最後にこのプロジェクトのフレーム設計やデザインワークを担った株式会社東急エージェンシー・牧野人也氏が感想を述べます。「学生さんの頭の回転の速さや思考を整理する能力を見て、とても優秀な方が集まってくれたのだと実感しました。この活動を通して京都への愛着の輪が広がることを願っています。大学生はこれから大いにチャンスがあります。どうぞがんばってください」と締めました。
ワークショップ終了後も歓談する学生が多く、名残惜しそうな様子が会場のあちこちで見られます。学生たちは5ヶ月間のワークショップで大きな成長を遂げ、新たな一歩を踏み出していくに違いないでしょう。
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続いて、5回にわたるワークショップの進行を担当した凸版印刷株式会社・山下薫氏が登壇。「今はモノよりもエクスペリエンス(体験)が重要視される時代です。そのため、どんなストーリーを描いてどう発信するかが大切になります。学生の皆さんは今回、自分の言葉で表現しましたが、そういったリアリティのある手法が、これからの世の中には価値があると考えています。一緒に活動してきた私たちにとっても、このワークショップは考えるきっかけになりました」と振り返りました。
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- S.Fさん
- 立命館大学
- 2年生
私が取材したのは大学生が経営するユニークなバーです。インタビューは初めてでしたが、学生同士ということもあり、突っ込んだ質問にも気さくに答えてくれました。2回目のワークショップでチーム編成が決まりましたが、互いに応援し合う仲間に恵まれて、良い形の成果物を作ることができました。
大勢の前でプレゼンテーションをしたのは貴重な経験になったと思います。他のメンバーの取材先がどれも魅力的なので、機会を作って訪ねてみようと考えています。私は東京出身ですが、このプロジェクトに参加して京都に住み続けたいと思うようになりました。
京都市コメント
- 京都市総合企画局総合政策室
大学政策部長 - 塩野谷和寛氏
学生の皆さんが卒業後も京都に定着してほしいと始めたプロジェクトでしたが、参加された方にはハードルが高かったかもしれません。単に観光名所を紹介するのではなく、京都で暮らす学生が知られざる魅力を見つけるという主旨でしたので、ご苦労されたと思います。しかし、ハードルを乗り越え、素晴らしい作品を作ってくれました。京都市としてもこの成果をがんばって広めていきたいと考えています。まだ学生生活は続きますが、このプロジェクトで得た知見をもとに、これからも様々なことにチャレンジし、経験を積んでほしいと願っています。 京都市総合企画局総合政策室 大学政策部長 塩野谷和寛氏
2021年4月15日(木)
京都市長、メディアに向けた成果報告会を行いました!
学生の活動が実を結び、ブックカバー、コースターという成果物が完成。
3月に発表会の後、京都市内での配付を始めました。
そして4月15日には「成果報告会」を開催し、この活動を広くお披露目しました。
当日は京都市長の門川大作氏をはじめ、関係者が京都市内のキャンパスプラザ京都に集まり、
学生の一連の活動を讃えました。
会場には報道機関の記者も来場し、学生の声を生で聞くなど、これまでの活動全般を取材。
「学生とつくるまちの未来プロジェクト」の様子は広く全国に報道されました。
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京都市長
門川大作氏からのあいさつ京都市では、志の高い学生の皆さんが勉学に専念できるようにと以前より支援を行ってきました。学生情報センターは学生マンションや優良なアルバイトを紹介するなど、コロナ禍で苦慮する学生を支援しています。
キャンパスプラザ京都は、京都市内にある38の大学、そして市外の大学を含め50校で運営しています。私が未来に向かって大切にしたいのは、京都は大学のまちであることです。この特色を生かし、あらゆる社会的課題を解決していきたいと考えています。
いま京都で学ぶ大学生の75%は他の都道府県から来られた方です。卒業後は80%が京都を離れてしまいます。しかし、卒業後も愛着を持って住み続けてほしいと願っています。千年を超す京都市の歴史や文化を知ることで、京都の良さ、奥の深さを感じていただければと思っています。
このプロジェクトでは大学の枠を超えて取材活動に取り組みました。活動を通して皆さんは京都を支える人々の人間力を学ばれたのではないでしょうか。卒業後は就職する方が多いでしょうが、アントレプレナー(起業家)という働き方もこれからの時代には良い選択だと思います。新型コロナウイルスの影響で、社会の貧困や格差、環境など様々な問題が顕在化しました。学生の皆さんには、この活動を機に、これらの社会問題にも主体的に取り組んでほしい。そう願っています。 -
株式会社学生情報センター
代表取締役社長 吉浦勝博氏からのあいさつ株式会社学生情報センター
代表取締役社長
吉浦勝博氏からのあいさつ創業以来、全国の大学と連携し、学生さんのひとり暮らしをご支援してきた学生情報センターは、20年以上前から、優良なアルバイトや実践的なインターンシップも学生さんにご提供してきました。
昨年6月に、学生生活の充実を図るため、京都市と連携協定を締結しました。この協定は、コロナ禍でアルバイトが減って困っている学生に、何かご支援できないかと京都市が発案されたものです。そこで当社は、安全で優良なアルバイト情報サイトを京都市のWEBサイト内に開設。これまで78社に協賛いただき、求人情報を掲載しています。そして、京都市の課題を解決するため、今回の学生によるワークショップを企画し、当社が属する東急不動産ホールディングスへ相談した結果、このプロジェクトが立ち上がったわけです。コロナ禍でアクティブに活動する機会が少なくなっている学生メンバーの皆さんには、やりがいのある活動となったのではないでしょうか。
私自身も京都で大学生活を送りました。皆さんが取材した「私設図書館」は学生時代によく通ったところです。ライブハウス「磔磔」も懐かしい場所です。余談ですが、私が学生の頃、なじみだった定食屋の女将さんから、学生のことを「学生さん」と親しみを込めて呼ぶのは京都だけだと聞かされました。学生のまち京都は健在です。これからも、学生さんが充実した学生生活をおくることができるよう、微力ながら応援してまいります。 -
東急不動産ホールディングス株式会社
執行役員 西村和浩氏からのあいさつ東急不動産ホールディングス
株式会社 執行役員
西村和浩氏からのあいさつ新型コロナウイルス感染拡大の影響がありましたが、プロジェクトを遂行することができ、うれしく思っています。京都市長をはじめ関係者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
成果物を手に取って拝見しますと、どれも学生一人ひとりの思いが込められた良い作品になったと感じました。ぜひ多くの方に手にとっていただき、さらに京都への愛着が深まることを願っています。
学生の皆さんは、このプロジェクトで得た知見や経験を社会に出てからも生かし、活躍してほしいと願っています。
東急不動産ホールディングスは、今後も様々な事業を通して社会課題に取り組んで参ります。これからも京都市へ貢献していきたいと考えています。
左上:京都市長 門川大作氏
右上:株式会社学生情報センター 代表取締役社長 吉浦勝博氏
参加者コメント